■ロンドン市民の移動中の運動に影響をもっとも与えているのは車の保有率

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ロンドン市民にとっては、移動をすることによって身体活動がまかなわれるという側面があって、とりわけその活動性を左右するのは自動車の保有率であるかもしれない、という研究。車の保有率と、自転車の保有率が、移動でどの程度、身体活動を行う事に影響を与える強力な因子であるという。車の保有者は2〜3倍、アクティブに移動する割合が低下しているようだ。また、ロンドン郊外部に居住している人では、自転車を持っている事が、直近での利用の有無にかかわらず、移動中に30分程度身体活動を行う事に関連しているようだという。これらの知見は、移動中での身体活動を推進していくような政策的視点からも有用な情報である可能性がある。

今日、身体活動レベルを増加させる事は公衆衛生的観点からも重要な課題となっている。身体活動量の不足は世界的に見ても第4番目の主要な死亡原因であり、2型糖尿病や冠動脈疾患、乳がんなどの引き金となり得る、と考えられているからだ。

少なくとも30分間の中強度運動を週当たり5日間行うか、150分間の中強度運動を行うかのどちらかの身体活動量が推奨基準として提示されているが、英国では44%の人がこの基準を満たしていないという。移動を通じて身体活動を増進させることはコスト的にも有利な身体活動方略である。ロンドン市長のサディク・カーン氏はロンドン市内の大気汚染を緩和するために、より多くの人に対してウォーキングやサイクリングを利用することを政策的に励行していこうと企図しているようだ。

本研究では40,547人の被験者を対象に6年にわたって追跡したデータを検討した。本研究の調査はロンドン移動需要調査(LTDS)の一環として行われ、毎年人々の移動記録について、どの日に何日間移動行動をしたのかを記録するというものであった。研究者らはついでこれらのデータから移動中に行った運動量と自動車所有率、自転車利用率、所得、性別、民族性の間に何らかの関連性が見られないかを検討したのだ。

結果、移動はロンドン市民にとって大きな身体活動量供給源である事が判明したのだ。半数以上のロンドン市民による活動的な移動はウォーキングやサイクリングなどを実施することで行われていた。車の所有率が高まると、運動を行う割合が低下した。自転車所有率は運動を増進させていた。英国のその他の地域と比較して、ロンドン市民は公共交通機関を利用する割合が高く、そのために移動行程の一部としてウォーキングを行う率が高まっているということも言えるようである。

自動車と自転車の所有率を検討した後では、次いで年齢がもっとも影響をもたらしている因子であると言うことがわかった。年齢を重ねるとともに活動性は低下するのだ。これまでの研究から、女性の身体活動率は男性に比べて低いことが指摘されてきたが、本研究では、移動中の男女による身体活動量に有意差は見られなかった。

活動的な移動は、ロンドン市民にとっては全民族性、収入、身体活動能力を通じて普遍的に行われているという傾向があり、より多くの人にウォーキングやサイクリング、公共交通機関の利用を推奨するように働きかけ、その行動に対する障壁を低下させていけるなら、人々がより健康的になることに役立てられる可能性がある、と研究者は指摘する。

ロンドン交通局はロンドンの公共交通機関の大部分を担当する組織である。本研究は英国内での移動に関し検討が行われたこれまででもっとも詳細なものであるが、一人一人の個人が週当たりどの程度の身体活動をしていたのかについてのデータは集められていない。しかしながら、国レベルの移動研究に比べて、本研究はより短距離での身体活動についての情報を供給するものである。今後、10分間単位での活動データについて研究者らは検討する事を示唆している。この分析は、医療関係官が推奨する10分以上の身体活動を推進することの反映としてとらえていくことができるデータとなろう。

さらに研究者らは地理的要因などのその他の影響を与えうる因子の影響ついても検討を行うという。これは、ロンドン郊外とロンドン中心部の居住者に活動量の差が見られたということから検討されるべき項目として提起された。例えば、郊外居住者はより車での移動をしがちであり、おそらくそれは公共交通機関の選択肢が少ないという理由のためであろう。これらの差異は人口密度や公共交通機関へのアクセス性の改善が、個人的なアプローチよりもより有力な作用因子となる可能性を示唆するものであるのである。社会的規範など、その他の因子についての関連性の分析も、興味深い情報を与える可能性がありそうである。

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S221414051600013X

資料 TMSジャパン
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