■“テレヘルス”は第4の医療になりうるか

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心血管疾患高リスクの患者に対しデジタル医療技術を駆使した“テレヘルス(telehealth)”による介入は効果があるのか。英国・ブリストル大学のChris Salisbury氏らが、プラグマティックな多施設共同無作為化試験を行った結果、エビデンスベースに基づくテレヘルスでも臨床的効果は小さく、平均リスクの全体的改善には結び付かなかったことが示された。ただし、一部の心血管リスク因子や健康行動、またケアサポート・アクセスの患者認識について改善が認められたという。慢性疾患の増大で、低コストでケア提供を拡大するための新たな医療供給や自己管理サポートの方法が必要とされている。政策立案者の間では、テレヘルスの利用拡大が有効な策になると楽観視されているが、テレヘルス介入効果のエビデンスはあいまいで、リアルワールドでの効果のエビデンスはほとんど示されていないのが現状だという。BMJ誌オンライン版2016年6月1日号掲載の報告。

非医療スタッフでもテレヘルスで患者管理が可能かを検証

 研究グループは、非医療スタッフがテレヘルスを活用することで、心血管疾患高リスク患者の管理を効果的に行うことができるかを調べる試験を行った。

 英国内3地域、42人の一般医(GP)の協力を得て、2012年12月3日〜2013年7月23日に、40〜74歳で10年心血管疾患リスクが20%以上、心血管イベントの既往歴はなく、1つ以上の修正可能なリスク因子(収縮期血圧140mmHg以上、BMI 30以上、現在喫煙)を有し、電話・インターネット・電子メールにアクセス可能な641例を集めた。被験者を自動無作為化法にて、介入群(325例)または対照群(316例)に割り付けた。その際、試験地による層別化、実地医療およびベースラインリスクスコアによる最小化も行われた。

 介入群には、「Healthlines」(alongside usual care)サービスが提供された。これは、専門家ではない訓練を受けた健康アドバイザーからの定期的な電話連絡が、インタラクティブなソフトウェアによって生成されたスクリプトに従って行われるというもの。アドバイザーは、リスク因子を減らすオンラインリソース使用をサポートしたり、薬物使用の最適化や治療アドヒアランスの改善を図り、より健康的なライフスタイルを奨励するなどして患者の自己管理の促進を図った。一方、対照群には通常ケアのみが行われた。

 主要アウトカムは、治療効果(12ヵ月後の心血管リスクの保持または減少で定義)が認められた患者の割合とした。アウトカムは、盲検下で無作為化後6ヵ月、12ヵ月時点で集められ解析が行われた。

治療効果の有意差は認められず、ただし一部の臨床値改善や行動変容に効果

 治療効果が認められた患者の割合は、介入群50%(148/295例)、対照群43%(124/291例)で、実質的な差は認められなかった(補正後オッズ比[OR]:1.3、95%信頼区間[CI]:1.0〜1.9、治療必要数[NNT]:13、p=0.08)。

 介入により、血圧の低下(平均差;収縮期血圧−2.7mmHg[95%CI:−4.7〜−0.6]、拡張期血圧−2.8mmHg[同:−4.0〜−1.6])、体重減(−1.0kg、95%CI:−1.8〜−0.3)、BMI低下(−0.4、同:−0.6〜−0.1)がみられたが、コレステロール値(−0.1、−0.2〜1.0)、喫煙状態(補正後OR:0.4、0.2〜1.0)の改善はみられなかった。また、全体的な心血管リスクも保持されたままであった(−0.4、−1.2〜0.3)。

 ただし、介入により、食事、運動、服薬アドヒアランスが改善し、ケアアクセス、受療、ケアコーディネーションに関する満足感は認められた。

 重篤な有害事象の発生は、血圧低下による入院の1件が報告された。

原著論文はこちら
Salisbury C, et al. BMJ. 2016;353:i2647.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27252245

資料 TMSジャパン
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