■米国が著者を誤解させたとして出版社を告発

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この種の事例としては初めて、FTCが著者を騙したとして雑誌の出版社を告発している。数百のオープンアクセス雑誌を出版しているOMICS Group 社に対してFTCが連邦判事に、その費用や編集スタッフ、ピアレビューなどについての虚偽および誤解を招く主張を止めるよう命令するよう求めている。また著者や学会参加者にその数百万ドルの費用の返却も求めている。

この事例はラスベガスの連邦判事の前にあるが、これまで自主規制の世界だった科学雑誌の世界に衝撃を与えている。コロラド大学の司書で、“predatory”出版社の批判者として有名なJeffrey Beallは「学術出版業界を政府が規制しなければならないとは恥ずべきことだ」と言っている。OMICSはBeallによる批判に対して10億ドルの裁判で脅迫している。

インドのOMICSは2008年に初めてオンライン雑誌を発表してから出版帝国を築き上げ会議も行っている。もと生命医学研究者のSrinubabu Gedelaが運営するこの会社は農業から動物学まで653のジャーナルを出版している。さらに無数の絶え間無く変化する子会社のもとでもっとたくさんの雑誌を発行している。論文は著者が最大数千ドルのお金を払い、読者には無料である。

FTCは研究者からのたくさんの苦情を受けて米国の消費者保護法を執行しGedelaとOMICSとその関連会社2つを訴えた。苦情内容は論文出版のための費用を徴収したのにピアレビューのような約束したサービスを提供しなかった、あるいは学会の運営がいいかげんだといったものである。FTCは過去1年ほど静かに証拠を集めてOMICSを訴える準備をしていた。例えば被害者のカリフォルニア州立大学の心理学者Pamela Reganは、International Journal of Emergency Mental Health and Human Resilienceから論文投稿を依頼するメールを受け取った。この雑誌はかつては彼女の分野では尊敬されていたもので彼女はOMICSに乗っ取られていたことを知らなかった。そして数ヶ月かけてレビューを書き投稿したところピアレビューは行われず1819ドルの請求書が来た。非合法雑誌になってしまったことを恐れて論文を取り下げると言ったら彼らはそれは不可能だと言う。大学の法律担当者に手伝ってもらってOMICS社との何ヶ月にもわたる脅迫的電子メールでのやりとりを行い
なんとか落ち着いた。しかし彼女が他の雑誌に論文を投稿しようとしたところ、OMICS社は彼女に彼女の論文を出版したと通知してきた。彼女は恐怖を感じた。「こんなインチキ雑誌に論文を出すなんて科学としての名声にとって破壊的ダメージだ」という。何とかしようとして彼女は雑誌の編集者として名前の挙がっている29人の学者に連絡した。しかしほとんどの人が名前を使われていることを知らなかった。OMICSから名前を外させようとしている人もいたができなかった。最終的に彼女の論文は取り下げることに成功したが彼女は激怒した。OMICSは論文を出したいと熱望している経験の少ない科学者を食い物にしている。特に途上国の学者や大学院生を標的にしている。恥ずべきことだ、と彼女は言う

Scienceは何度もOMICSにメールを送ったが返事はない。

(こういう「論文」が機能性食品の「根拠」として提出されることを消費者は理解していない。バイアグラ買いませんかとか暇な主婦ですみたいなスパムメールはシステムがかなり弾いてくれるようになったけれど学会や学術雑誌を名乗るスパムは毎日届く。)

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