■イソフラボン代謝物「エクオール」が潜在性動脈硬化リスクと関連

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―健康な日本人男性で検討

 健康な日本人男性では、大豆イソフラボンの血中濃度は潜在性の動脈硬化と関連しないが、イソフラボンの代謝物である「エクオール」は血中濃度が高いほど冠動脈石灰化のリスクが低減する可能性のあることが、ピッツバーグ大学(ペンシルベニア州)公衆衛生学の関川 暁氏らの国際研究グループ(同大学と滋賀医科大学との共同研究)の検討で分かった。男性におけるエクオールと冠動脈石灰化との関連を示した初の研究だという。詳細は「British Journal of Nutrition」1月号に掲載された。

 エクオールとは、大豆イソフラボンに含まれる成分から腸内細菌叢の働きによって作られる代謝物。同氏らは2016年に、エクオールの血中濃度と冠動脈疾患(CHD)との関連を調べるため、42件の研究を対象にメタ解析を行った結果、一部の研究ではエクオールの産生がCHDリスクの低下と関連することが示されたものの、結論には至らなかったと報告している(Journal of Nutritional Science; 2016年7月19日オンライン版)。

 今回の対象は、日本人、米国人(白人およびハワイ日系人)、韓国人の3カ国4集団から心血管疾患の既往を持たない健康な40~49歳の男女約1,200人を対象に、潜在性動脈硬化に関連する指標やそのリスク因子を調べる疫学研究(ERA JUMP研究)の参加者から抽出した日本人男性272人。対象者の大豆イソフラボンおよびエクオールの血中濃度を測定し、CT検査による冠動脈石灰化(米国では冠状動脈硬化のバイオマーカーとして広く使用され、CHDの発症を予測する因子とされる)で評価した潜在性動脈硬化との関連を調べた。

 その結果、年齢やBMIなどの複数因子を調整した解析により、大豆イソフラボンの血中濃度と冠動脈石灰化のリスクとの間には有意な関連はみられなかった。一方で、エクオールの血中濃度で「産生者(83nmol/L以上;対象者の約16%)」と「非産生者(80nmol/L未満)」に分けて冠動脈石灰化のリスクを比較したところ、エクオールが産生されなかった人に比べて産生された人では冠動脈石灰化のリスクが約10分の1に低減していることが分かった。

 これまでの研究で、欧米人と日本人や中国人などのアジア人との間では、イソフラボン摂取と動脈硬化症との関連について知見が一致していなかった。研究グループは、日本人や中国人ではイソフラボン摂取量が多く、エクオール産生者も多いことから、動脈硬化症との関連にみられるこうした人種差はエクオールで説明できる可能性があるとしている。

原著論文はこちら
Ahuja V, et al. Br J Nutr. 2017; 117: 260-266.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28205492

資料 TMSジャパン
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