在宅医療、みとり推進 かかりつけ医の役割強化 18年度、診療報酬改定

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■在宅医療、みとり推進 かかりつけ医の役割強化 18年度、診療報酬改定
2018年2月8日 (木)配信共同通信社

 厚生労働省は7日、医療機関に支払う診療報酬の4月からの改定内容を決めた。高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせる仕組みづくりを掲げており、介護と連携して在宅医療や施設でのみとりを進める。高齢で慢性疾患を抱える患者の増加を背景に、ニーズに合わせた病床再編を促し、かかりつけ医の役割を強化する。

 加藤勝信厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会が答申した。

 高齢化で死亡者が増えており、自宅や介護施設でのみとりをしやすくする。現在、特別養護老人ホーム(特養)の患者を外部の医師がみとる場合、特養が介護報酬の加算を取ると医師は診療報酬の加算を受けられないが、医師も報酬をもらえるようにして訪問診療の担い手を増やす。

 情報通信技術(ICT)を活用してテレビ電話などで患者を診る「遠隔診療」の報酬を新設。過疎地や離島といった医療機関や医師が不足している地域で在宅でも診療を受けられるようにする。

 身近な診療所にかかりつけ医として日常的な診察を担ってもらい、先端医療を担う大病院との役割分担をさらに進める。訪問診療や夜間・休日に対応するかかりつけ医を対象に初診時に800円を上乗せする(自己負担は最大3割)。一方、紹介状なしで大病院を受診した人に5千円以上の追加負担を求める制度は、対象病院を500床以上から400床以上に拡大。262カ所から約410カ所に増える。

 重症患者向けの「急性期病床」は現在、看護師の配置人数が多いほど高い報酬を支払っている。重症者の割合や治療内容で段階的に配分する仕組みに改め、ニーズが高い慢性疾患を抱える人向けの病床への転換を促す。

 社会保障費が年々増大する中で医療費削減策も盛り込まれたが、小粒なものにとどまった。病院前で営業する「門前薬局」は、利益が大きい大手薬局グループの報酬を減算。腎臓病患者の人工透析の報酬も引き下げる。

 診療報酬は原則2年に1回改定され、2018年度は昨年末に全体で0・9%(薬価制度の改革分を含めると1・19%)のマイナスと決まった。今回は3年に1回の介護報酬との同時改定。

■診療報酬、かかりつけ医加算新設…初診時8百円
2018年2月8日 (木)配信読売新聞

 厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)は7日午前、2018年度の診療報酬改定を決定し、加藤厚労相に答申した。

 地域のかかりつけ医の加算を新設するなど、団塊の世代が全員75歳以上となる25年に向け、病院からかかりつけ医を中心とした医療へと転換を図る。

 政府は昨年12月、医師や薬剤師らの技術料にあたる「本体」部分を0・55%引き上げ、医薬品など「薬価」部分(医療材料含む)は1・74%下げることとし、全体でマイナス1・19%の改定率を決定。これを踏まえ、中医協が個別の点数を決めた。

 高齢化に伴い、厚労省は25年には在宅医療を利用する患者数は100万人超になると推計している。在宅医療を担うかかりつけ医の機能を強化するため、初診時に800円を加算する制度を新設する。夜間や休日でも電話などで対応が可能な医師を配置している診療所などが対象となる。

■クローズアップ2018:診療報酬改定 医師、連携で負担軽減 「在宅」支える態勢整備
2018年2月8日 (木)配信毎日新聞社

 4月から適用される医療サービスの公定価格、診療報酬の改定内容が7日、決まった。介護との同時報酬改定は団塊の世代が75歳以上となる2025年を前に実質的に最後となる。在宅医療の需要が増えることを見込み、訪問診療に取り組む医療機関の裾野拡大を目指した。【堀井恵里子、阿部亮介】(6面に特集)

 人口10万人あたりの医師数が47都道府県中2番目に少ない茨城県で昨秋、在宅患者を支える取り組みが始まった。通院できない患者のために医師が自宅に出向く訪問診療に、複数の診療所が連携して取り組む。

 訪問診療は、患者に急変があれば24時間、365日の対応が求められるため、高齢で医師1人の診療所などには敬遠されがちだ。研修で遠出した場合の対応なども課題で、互いにカバーし合うことで担い手を増やす狙い。グループに地域の病院も加わり、入院が必要になった時などのバックアップ態勢も整える。

 六つの診療所・病院で構成する古河市のグループに参加する「古河福祉の森診療所」の赤荻栄一所長は外来診療のかたわら、約40人を訪問。同グループには他に二つの診療所が加わり、研修の形で赤荻所長の訪問診療に同行している医師もいる。赤荻所長は「24時間対応は大変だといわれるが、事前指示を出していれば夜間でも訪問看護が対応してくれる。実情を知ってもらい訪問診療に取り組む医師が増えてほしい」と語る。

 改定では、一般の診療所が他の医療機関と連携して24時間の往診や訪問看護の提供態勢を整えた場合の「継続診療加算」(患者1人当たり月2160円)が新設された。訪問診療を担う医療機関には、態勢が充実し報酬も高く設定された「在宅療養支援診療所」が全国に約1万4000カ所あるが、それ以外の診療所の訪問診療も評価し担い手確保を図る。また、内科の他に眼科にもかかるような場合、複数の医療機関からの訪問診療ができるように見直す。患者は自己負担が増えるが、利便性や安心感が高まる。

 茨城県医師会の諸岡信裕会長は「外来中心で診療している医師も加わらないと、これからの地域の在宅医療を支えられない。グループ化はハードルを下げる取り組みで、報酬がつけば追い風になる」と評価。ただ、診療報酬による対応だけでなく「自宅で患者をみる家族が疲弊しないような支援策も必要」と指摘した。

 国が在宅強化を図るのは、25年に向けて、入院治療の必要性が低い人は病院から自宅や施設へ移るよう促したいためだ。これが実現すれば全体の病床数を抑制できると推計。中でも重症入院患者向けの急性期病床数が過大とみている。

 急性期病床絞り込みの対象は、患者7人に対して看護師1人と手厚い「7対1病床」。報酬が高く、病床数は06年度の導入時の約4万5000床から17年には約35万床に急増した。しかし、高齢化の進展で慢性疾患の患者の割合が増え、医療現場のニーズに合わなくなっている。

 これまでも条件を厳しくして、コストが安い「10対1病床」に転換させようとしてきたが、なかなか進んでいない。今回は看護師を「10対1」に減らしても、重症の入院患者が一定割合であれば報酬は現状の「10対1」よりは高い区分を設けることで決着。全日本病院協会の猪口雄二会長は7日の記者会見で、「7対1と10対1の落差は非常に大きかったので、その間ができたことは良い方向」と一定の評価をした。

 ◇門前薬局の調剤料減 医療費抑制、限定的

 年40兆円超の医療費の抑制も課題だ。薬価や調剤報酬を切り下げたが、先送りされた項目もあり効果は限定的だ。中央社会保険医療協議会委員で医療費を負担する側の幸野庄司・健康保険組合連合会理事は7日、「全体的には80点ぐらい」と評価した。

 特定の病院の処方箋が集中する「門前薬局」のうち、特に報酬で切り込んだのが大手チェーン薬局に対してだ。グループ全体で40万枚を超える処方箋を扱い、特定病院からの集中率が85%を超えるところは、受け付け1回当たりの調剤基本料が200円から150円に下がり減収になる。「大手チェーン薬局はもうけすぎだ」(官邸関係者)との批判を受けたもの。2年前の前回改定でも門前薬局の報酬を引き下げたが、対象を広げ、引き続き「狙い撃ち」にした格好。厚生労働省は医療費ベースで約240億円の削減を見込む。

 腎臓病患者への人工透析治療の報酬は引き下げる。透析を受ける患者は約32万人で1人当たり年間約500万円。医療費にして1兆5000億円に上る。

 病院の規模や時間により報酬が設定されているが、標準的な透析時間とされる4~5時間未満の場合、現行の1回2万1750円から数百円程度下げる。多数の透析用機器を所有し、多くの患者に透析治療を行っている病院の下げ幅が大きい。ただし休日夜間対応した場合は評価するなどメリハリをつけた。

 狙い通りにいかなかったものもある。美容目的で過剰に処方されているとの指摘があった保湿用塗り薬「ヒルドイド」の処方量の制限を検討していたが、がん患者団体の反発で断念した。また高額薬の価格に、費用対効果を反映させる新制度も、18年度実施予定を1年先送りした。

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 ◇診療報酬改定 ポイント

・夜間や休日に対応するかかりつけ医を対象に、初診時に800円上乗せ
・タブレット端末などで患者を診る「遠隔診療」の報酬を新設
・急性期病床の入院基本料を見直し、病床再編を促進
・自宅や施設でのみとりを進める
・紹介状なしで大病院を受診した人に追加負担を求める制度を拡大
・病院前に建ち並ぶ「門前薬局」の大手チェーンの報酬を引き下げ
・診察料などの本体部分は0.55%引き上げ、薬価は1.74%引き下げ

■18年度診療報酬改定:負担、サービス どう変わる
2018年2月8日 (木)配信毎日新聞社

 2018年度の診療報酬改定が実施されると、サービスが手厚くなる一方、自己負担が増える場合もあるなど、患者にもさまざまな影響がある。厚生労働省の試算から、入院や在宅医療など四つの例を紹介する。【堀井恵里子、野田武】

 ◇脳梗塞 早期からリハビリ

 脳の血管が詰まる病気で、手足のまひや言語障害などの後遺症が残ることも多い脳梗塞(こうそく)。後遺症を防いだり軽くしたりするには、できるだけ早くリハビリを始めるのが効果的と言われる。今回の報酬改定で発症早期からのリハビリを受けやすくなる。

 脳梗塞で倒れた58歳の男性患者は緊急入院して、詰まった血栓(血の塊)を溶かして血流を再開する薬を静脈注射する治療を受けた。集中治療室ではさまざまな医療スタッフによるリハビリを受けた。こうした態勢を整えた医療機関に対する加算が新設され、その分、患者負担は増える。

 一方、歯周病や虫歯がある人は手術などの際に感染や誤嚥(ごえん)性肺炎を起こす恐れがある。これを防ぐため口腔(こうくう)ケアの報酬対象に脳梗塞治療も加わった。男性の負担は増えるが、歯科医や歯科衛生士から口腔ケアを受けることができた。

 これらの治療を14日間の入院で受けた男性の医療費の自己負担分は、51万7095円となるが、高額な医療費への支援制度により42万2428円分の負担が軽減され、実際の負担は9万4667円となった。

 ◇医療的ケア児 訪問看護、回数増加

 日常生活を送るために人工呼吸器の装着や、胃ろうによる栄養摂取が必要となる「医療的ケア児」。医療技術の進歩で従来は救命の難しかった新生児が助かるようになったことで増加傾向にある。こうした子どもへの支援が充実し、在宅での生活が送りやすくなる。

 気管を切開して人工呼吸器を付けている6歳の女児は、定期的にたんの吸引が必要だ。肺炎で救急搬送されて7日間入院し、退院してからは訪問看護を受けることになった。

 医療的ケア児への長時間訪問看護は従来、報酬がつくのは週1回に限られていたが、週3回まで認められることになった。これにより女児は2~3日に1回の割合で訪問看護を受けることができる。また、介護職員のたん吸引に看護師が付き添ったり助言したりする行為にも加算がつくことになった。たんの吸引を、より安全に受けられるようになる。

 女児の医療費(月額)の自己負担は、改定前より9485円増の8万1613円となる。子どもへの医療費助成制度のある自治体は多く、該当する場合、自己負担はこれより少なくなる。

 ◇認知症 医師ら連携し治療

 認知症はささいなことで怒りっぽくなるなど、家族が対応に悩むことも多い。在宅で暮らし続けるには、専門的な研修を受けた認知症サポート医とかかりつけ医の連携も大切だ。

 かかりつけ医がサポート医に患者を紹介し、サポート医が療養計画の策定や助言をする場合の評価を新設。その計画にもとづいて患者を治療するかかりつけ医にも新たな指導料が付き、在宅で充実した治療を受けられるようになる。

 高齢者は薬の飲み過ぎも問題だ。このケースは複数の医療機関に通い計6種類の飲み薬が出ている。薬を一括して把握する薬剤師がかかりつけ医に提案し、2種類以上減らせた場合、新たに報酬が出るようになる。薬剤師の積極的な働きかけを促す。

 医療機関で払う自己負担はサービスが手厚くなる分、計1271円と倍以上に増える。一方、減薬と先発医薬品から価格の安いジェネリック(後発医薬品)への切り替えで薬代は下がり、調剤料などを合わせた薬局での支払いは半額近い805円に。自己負担合計は1カ月で2076円でこれまでとほぼ同じだ。

 ◇末期がん 「自宅で最期」支え

 末期がんでも最期を自宅で過ごす選択をする場合もあり、支える体制を手厚くする。

 痛みなどを取り除く緩和ケア病棟は入院できるまでに日数がかかることが課題になっている。入院料を見直して、速やかな受け入れ態勢を整えた医療機関の報酬を引き上げ、希望する人はスムーズに在宅に移れるようになると期待される。

 在宅では訪問診療のほか訪問看護を週4日受ける。自力で歩けないなど身体的な理由でも複数の看護職員による訪問が受けられるようになり、4日のうち1日利用する。依頼している訪問看護の事業所は、地域のほかの医療機関や訪問看護事業所向けの研修をするなどレベルが高いため、初日の報酬は高くなる。

 訪問診療の主治医とケアマネジャーが互いに情報提供することも定められ、症状の変化に応じた介護サービスが受けやすくなりそうだ。

 後期高齢者だが現役並み所得があるため、自己負担は1割ではなく3割。1カ月で計約19万円かかるところだが、医療費が高額になる場合の支援制度があり、現在より197円高い8万3893円に抑えられる。

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 ◇パソコン介して受診

 パソコンやスマートフォンなどを介して、自宅など離れた場所にいる患者を医師が診察する遠隔診療が、新たに公的医療保険の適用対象となった。以前はへき地などでの活用が期待されていたが、最近は通院時間の取りづらい多忙な現役世代向けの利用が注目されている。

 糖尿病治療が中心の「松葉医院」(川崎市幸区)の松葉育郎院長は、机に置いたカメラ付きモニター越しに患者と向き合う。患者には血糖値を自分で測る機器を貸し出し、測定値は自動的に電子カルテへ送られてくる。松葉院長はデータを見ながら患者から生活の様子を聞き取る。診察を終えた患者はクレジットカードで医療費を支払う。

 現在は保険適用外だが、4月以降、糖尿病心不全、がん、高血圧症などの患者で、初診から半年以上たっている場合に保険診療の対象となる。毎月通院している人が隔月で遠隔診療にした場合、新たにオンラインによる診療料を取られるが、対面診療時にかかる医療費が減るので2カ月間でみれば負担は軽くなる見通しだ。

 松葉医院は、こうした国の動きを見越して昨年9月に遠隔診療を開始。ウェブサイトから30分間隔で予約を受け付ける。診療時間になると患者がサイト経由でアクセスする仕組みだ。

 現在は自費診療のため患者は数人だが、これまでに長期出張や外国へ行く人が利用している。松葉院長は「糖尿病で問題なのは治療の中断。遠隔診療なら忙しくても治療の中断を避けられる」と意義を強調する。保険が使えるようになれば受けたいという患者もいるという。

 日本遠隔医療学会の長谷川高志・常務理事は「まずは報酬上評価されるようになったことが大事だ」と歓迎。その上で、「地域医療では、患者宅などを訪問した看護師が遠隔診療の仕組みを使って医師を支援する場合もある。今回の改定では盛り込まれなかったが、今後実態に合わせる必要も出てくるだろう」と指摘する。

 一方、医療分野での利用が進むAI(人工知能)については、どう評価するかなど課題も多く、次回2020年度改定以降に持ち越された。

■診療報酬改定:かかりつけ医機能強化 24時間往診に加算
2018年2月8日 (木)配信毎日新聞社

 4月から適用される医療サービスの公定価格、診療報酬の改定内容が7日決まった。厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)が答申した。身近な「かかりつけ医」の役割を強化するため、複数の診療所と連携し、患者に24時間対応できる態勢を整えた場合に報酬を手厚くする。一方で重症者向けの急性期病床は要件を厳しく見直し、長期間の入院より、自宅や施設で受ける医療をより一層進める。【阿部亮介】

 超高齢社会の到来で慢性期の患者が増大するのを見据え、地域の中で患者を継続的に診る開業医のかかりつけ機能を強化する。医師が複数の医療機関と協力し24時間の往診と随時連絡が取れる態勢を取った場合の「継続診療加算」を新設する。夜間休日に対応するなど、かかりつけ医として患者を診た場合、初診料に800円を加算する「機能強化加算」も設ける。特別養護老人ホームなどへの訪問診療・看護で患者をみとる場合も報酬を手厚くする。

 一方、患者7人に看護師1人という手厚い配置で入院基本料の高い急性期病床は、引き続き減らす方向だ。改定後は看護師の配置基準だけでなく、重症患者の入院割合なども加味した入院基本料に変更する。紹介状なしに大病院を受診した患者に5000円以上の追加負担を求める対象も、現在の500床以上の病院から400床以上に広げ、かかりつけ医と大病院との役割分担をさらに進める。

 タブレット端末やテレビ電話など情報通信技術(ICT)を使い、医師から離れた場所でも診察を受けられる「遠隔診療」の利用を促す仕組みも整えた。同じ医師が初診から半年以上にわたり診療した患者に対し、モニター画面を通じ診察した場合などに「オンライン診療料」(1カ月当たり700円)を新たに認める。月に40万枚を超える処方箋を扱う「門前薬局」のグループに属し、特定の病院による処方箋の割合が85%超の薬局は報酬を引き下げる。

 診療報酬は、2年に1度改定される。政府は昨年末、前回より薬価を1・74%引き下げ、診察料などは0・55%引き上げることを決めた。中医協はこの財源内で個別の値段を設定した。患者が実際に支払う診察料や薬代は、自己負担割合(1~3割)によって異なる。

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