「イヌは怖がっている人間に咬みつく」は本当か

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■「イヌは怖がっている人間に咬みつく」は本当か

 イヌは人間が怖がっているかどうかを感じ取ることができると考えられているが、それを裏付けるような調査結果が「Journal of Epidemiology and Community Health」2月1日オンライン版に掲載された。英イングランド地方北西部の住民約700人を対象にイヌに咬まれた経験の有無などについて尋ね、対象者の性格検査も実施したところ、神経質で不安を抱えた人はイヌに咬まれるリスクが高いことが示唆されたという。

 この調査はイングランド地方チェシャー州の1,280世帯を対象に英リバプール大学感染・グローバルヘルス研究所のCarri Westgarth氏らが実施したもの。調査では、ペットとしてイヌを飼った経験やイヌに咬まれた経験の有無のほか、イヌに咬まれた経験がある場合はそれによる傷(咬傷)の重症度や咬まれた時の状況について聞いた。また、10項目で構成された「TIPI(Ten Item Personality Inventory)」と呼ばれる尺度を用いて対象者の性格検査も実施した。

 回答が得られた694人(385世帯)のデータを分析した結果、ほぼ4人に1人にイヌに咬まれた経験があった。ただ、治療が必要な咬傷はこのうちの3分の1程度で、入院を必要とした咬傷は0.6%とわずかだった。また、男性はイヌに咬まれる確率が女性の1.8倍であることも分かった。

 さらに、性格検査で評価された情緒安定性/神経症傾向のスコアが1点上昇するごとに、イヌに咬まれるリスクが23%低下するとの分析結果も得られた。このことから、あまり神経質ではなく精神的に安定した人はイヌに咬まれにくいことも示唆された。

 なお、イヌに咬まれた経験がある人の半数超(55%)は知らないイヌに咬まれていた。また、2匹以上のイヌを飼っている人がイヌに咬まれる確率は、イヌを飼っていない人の3倍であった。

 ただし、この研究ではイヌの性や年齢、血統などは考慮されていない。また、これらの分析結果は人間の性格の特性とイヌによる咬傷との関連を認めたものにすぎない。しかし、今回の分析結果を踏まえ、Westgarth氏らは「イヌによる咬傷を予防するには、イヌを前にした時に性格の違いによって現れる人間の行動に着目して対策を講じる必要があるかもしれない」との見解を示している。

 さらに、Westgarth氏は論文が掲載された同誌のプレスリリースで「一般的にイヌの咬傷の多くは知っているイヌによるものが多いと考えられていたが、今回の研究では知らないイヌからの咬傷も同程度の頻度で発生していることが分かった。したがって、以前からイヌ咬傷のリスク因子であることが推測されていた因子について再検証すべきだ」と指摘している。

原著論文はこちら
Westgarth C, et al. J Epidemiol Community Health. 2018 Feb 1. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29437877

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