アルツハイマー病の新薬候補は効果示せず

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■アルツハイマー病の新薬候補は効果示せず
idalopirdineとコリンエステラーゼ阻害薬併用のフェーズ3試験

 アルツハイマー病(AD)に対する治療薬候補として期待を集めていた、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗薬であるidalopirdineを、コリンエステラーゼ阻害薬と併用した3件のフェーズ3試験は、いずれも有効性を示せなかった。米California Pacific Medical CenterのAlireza Atri氏らは、結果をJAMA誌2018年1月9日号に報告した。

 idalopirdineを安定用量のドネペジルと併用するフェーズ2試験では、30mgを1日3回中等症のAD患者に投与すると、ドネペジル単剤で投与した場合に比べ、症状軽減が大きくなることが示されていた。そこで著者らは、軽症から中等症のAD患者に、idalopirdineをドネペジルまたは他のコリンエステラーゼ阻害薬と24週間併用して、プラセボ併用と比較する3件の二重盲検ランダム化対照試験、STARSHINE(試験1)、STARBEAM(試験2)、STRBRIGHT(試験3)を計画した。

 対象は年齢50歳以上のAD患者で、スクリーニング時点のMMSEスコアが12~22点で、安定用量のコリンエステラーゼ阻害薬を既に4カ月使用している人。メマンチンを使用している患者、AD以外の認知症患者、血液検査で重度の異常が見つかった患者、有効性と安全性の評価に支障を来す別の薬を使用している患者などは除外した。2013年10月から2017年1月までに、世界の34カ国で軽症から中等症のAD患者2525人を登録して、24週間に渡る臨床試験を実施した。追跡は2017年1月12日まで行った。

 試験1は、16カ国の119施設で933人を登録し、1対1対1でIdalopirdine 30mg/日、60mg/日、またはプラセボに割り付けた。試験2は、18カ国の158施設で858人を登録し、1対1対1でIdalopirdine 10mg/日、30mg/日、またはプラセボに割り付けた。試験3は、16カ国の126施設で734人を登録、1対1で、Idalopirdine 60mg/日、またはプラセボに割り付けた。併用されたコリンエステラーゼ阻害薬は、試験1、試験2ではドネペジル、試験3では、ドネペジル、リバスチグミンまたはガランタミンだった。

 主要評価項目は、3試験全てにおいて、11項目からなるAlzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS-Cog)を用いて評価したベースラインから24週後までの認知機能の総スコアの変化に設定された。ADAS-Cogのスコアの範囲は0~70で、低スコアほど認知機能は良好だ。安全性に関するデータと有害事象のプロファイルも記録した。

 参加者の平均年齢は74歳、女性の割合は62%から65%で、ベースラインのADAS-Cogの総スコアは26、MMSEのスコアはおおよそ18だった。参加者がADと診断されてからの期間は中央値1.4~1.9年で、コリンエステラーゼ阻害薬の治療期間は平均0.9~1.2年だった。2254人(89%)が試験を完了した。プロトコール離脱者の割合は、Idalopirdine 10mg/日群が9.7%、30mg/日群は9.7%、60mg/日群は11.3%、プラセボ群は9.3%だった。

 24週時点で、Idalopirdine群の中に、ADAS-Cogの総スコアのベースラインからの変化が、プラセボ群に比べ有意に良好だったグループはなかった。

 試験1では、24週間のADAS-Cogの総スコアの変化の平均は、60mg/日群が0.37、30mg/日群が0.61、プラセボ群は0.41だった。プラセボと比較した変化の平均群間差は、60mg/日群が0.05(95%信頼区間-0.88から0.98)、30mg/日群は0.33(-0.59から1.26)だった。

 試験2では、24週間のADAS-Cogの総スコアの変化の平均は、30mg/日群が1.01、10mg/日群は0.53、プラセボ群は0.56で、プラセボと比較した変化の平均群間差は、30mg/日群が0.63(-0.38から1.65)、10mg/日群は-0.09(-1.10から0.92)だった。

 試験3では、24週間のADAS-Cogの総スコアの変化の平均は、60mg/日群が0.38、プラセボ群が0.82で、プラセボと比較した変化の平均群間差は、-0.55(-1.45から0.36)だった。

 治療下で発現した有害事象の発生率は、idalopirdine群では55.4%から69.7%、プラセボ群では56.7%から61.4%だった。期間中にプラセボ群3人、idalopirdine群5人の死亡例が出たが、死因は治療とは関連していなかった。

 これらの結果から著者らは、において、軽症から中等症のAD患者にidalopirdineを24週間投与した3件の試験で、プラセボと比較した認知機能の改善は見られなかったため、AD患者へのidalopirdineの使用を支持しなかったと結論している。

 原題は「Effect of Idalopirdine as Adjunct to Cholinesterase Inhibitors on Change in Cognition in Patients With Alzheimer Disease」、概要はJAMA誌のウェブサイトで閲覧できる。
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2668349?redirect=true

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