片頭痛は多くの心血管疾患の危険因子

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片頭痛は多くの心血管疾患の危険因子
デンマークの大規模コホート研究

 一般住民と条件をマッチさせて片頭痛患者の心血管疾患リスクを調べるコホート研究を行ったデンマークAarhus大学病院のKasper Adelborg氏らは、片頭痛は心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、静脈血栓塞栓症、心房細動または心房粗動のリスクを上昇させており、末梢動脈疾患と心不全では関係が見られなかったと報告した。結果は、BMJ誌電子版に2018年1月31日に掲載された。

 世界の人口の約15%が片頭痛に悩んでいるといわれており、発症率は思春期以降に上昇する。これまでにも、女性の片頭痛患者と、前兆のある患者においては、片頭痛と脳梗塞や虚血性心疾患の関係が示されていた。著者らは今回、片頭痛患者と一般集団における、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、末梢動脈疾患、静脈血栓塞栓症、心房細動または粗動、心不全のリスクを比較するために、デンマーク国民を対象にコホート研究を計画した。

 同国は、全国民を対象にした医療保険システムを税金で運営しているため、全ての医療機関の診療データを匿名化して調べることができる。まず、1995年1月1日から2013年11月30日までデンマークの全ての病院と外来または救急部門で、片頭痛と診断された患者を抽出した。このうち95年以前に既に片頭痛と診断されていた人、リスク比較の対象とする心血管疾患の既往歴がある人は除外した。さらに、一般住民コホートとして、患者1人当たり10人、年齢、性別、受診年度がマッチする、片頭痛ではない人を選んだ。こちらも心血管疾患の既往歴がない人を選んだ。

 血液凝固能に影響を与える可能性がある因子(悪性腫瘍、妊娠、外傷、90日以内の手術など)の条件も医療記録から調べた。心血管疾患の危険因子として、糖尿病、肥満、脂質異常症、高血圧、弁膜症、COPD、腎不全、肝疾患、アルコール依存、甲状腺疾患も共変量として調べた。

 条件を満たした片頭痛コホートの5万1032人の患者(診断時の年齢の中央値は35歳、71%が女性)と、一般住民コホート51万320人を選び出した。片頭痛コホートの患者の方が、診断された時点での合併症(肥満や高血圧)の割合がやや高い傾向を示した。

 19年間の追跡期間中に、片頭痛患者のうち2451人が心血管イベントを1回経験しており、575人は2回以上経験していた。19年間の心筋梗塞の累積発症率は、片頭痛患者が1000人当たり25人、一般集団は17人で、脳梗塞はそれぞれ45人と25人、脳出血は11人と6人、末梢動脈疾患は13人と11人、静脈血栓塞栓症は27人と18人、心房細動または粗動は47人と34人、心不全は19人と18人だった。

 共変数を補正した片頭痛患者のハザード比は、心筋梗塞が1.49(95%信頼区間1.36-1.64)、脳梗塞は2.26(2.11-2.41)、脳出血は1.94(1.68-2.23)、静脈血栓塞栓症は1.59(1.45-1.74)、心房細動や粗動は1.25(1.16-1.36)だった。末梢動脈疾患(1.12、0.96-1.30)と心不全(1.04、0.93-1.16)で片頭痛と有意な関係は見られなかった。

 脳梗塞と脳出血では、片頭痛診断後1年間のリスクが最も高い傾向が見られた。脳梗塞では診断から0~1年の補正ハザード比は8.37(7.17-9.78)、1~5年後までは2.05(1.81-2.32)で、脳出血はそれぞれ7.89(5.85-10.62)と1.39(1.06-1.83)だった。静脈血栓塞栓症は2.48(1.91-3.22)と2.00(1.72-2.31)、心房細動/粗動は1.80(1.40-2.31)と1.23(1.06-1.43)だった。

 片頭痛コホートで前兆のある人(3万69人)とない人(2万963人)のサブグループを比較すると、前兆のある患者の方が、心筋梗塞や脳梗塞のリスク上昇が大きい傾向を示した。リスク上昇は男女の両方に認められたが、男性より女性でやや強力だった。

 これらの結果から著者らは、片頭痛は、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、静脈血栓塞栓症、心房細動または心房粗動のリスク上昇に関係しており、多くの心血管疾患の危険因子として重要と考えられたと結論している。

 原題は「Migraine and risk of cardiovascular diseases: Danish population based matched cohort study」、概要はBMJ誌のウェブサイトで閲覧できる。
http://www.bmj.com/content/360/bmj.k96

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